この記事はメディカルプラザが制作・監修した「サクセッション - 獣医師向け動物病院の承継開業の情報サイト」上で連載された記事を本サイトへ移行したものとなります。
同じ動物病院の勤務医に承継させるメリットとデメリット
親子間の承継ができない場合、院長が自分の動物病院を引き継いでもらいたいと思うのは、やはり、勤務医でしょう。
院長の立場からみた、同じ動物病院の勤務医に承継させるメリットとデメリットをみていきましょう。
メリット
まずは、勤務医に継がせるメリットはどんなものがあるのでしょうか。
1、後継者を探す苦労をしなくて済む
親子間での承継で同じように、すでに勤務医として働いている獣医師に譲るので、後継者を探す苦労がない。
2、弟子に継がせる満足感がある
長年、自分とともに懸命にこの動物病院発展のために尽くしてくれた弟子に譲ることで、「自分の思いを受け継いでくれる弟子が自分の病院を引き継ぐ」という満足感が得られる
3、元院長として口出ししやすい
引き継ぐのが勤務医だから、「院長・勤務医」の関係が「元院長・新院長」になっても病院経営などについてのアドバイスがしやすい。
デメリット
次に、勤務医承継のデメリットについてみてみましょう。
1、契約条件がまとまらないと、近くで開業させるリスクが高くなる
勤務医への承継でトラブルになるのは、譲渡金額である。
勤務医はこれまで懸命に働いて来たのだから、当然安く譲ってもらえると考えている。
院長が提示する金額に納得がいかない場合、新規開業する方が金額的にも低いと感じた場合、スタッフや患者を引き抜き、近くで新規開業されるリスクが高くなる。
2、勤務医の延長線上で働くので、事業が成長しないケースが多い
新院長という立場が変わったとしても、同じ動物病院で同じように勤務しているために、勤務医時代とは意識を変えることができずに、事業が成長しないケースが多い。
勤務医承継で選ばれる勤務医は、長年勤め、院長と考え方などが同じ人物のケースが多い。
そのため、自分が院長になった後も、前院長のやり方を踏襲し、自分なりのやり方を意識することがないために、時代の変化等に対応できず、事業が伸びなくなると指摘する院長もいる。
3、開業時期が遅れてしまうことがある
勤務医の承継開業時期が遅れてしまうと開業を待ちきれなくなった勤務医が近くで新規開業してしまうリスクが高くなる
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