開業する人しか 採用 しない動物病院?

公開日:2020年06月29日 最終更新日:2024年06月23日
この記事はメディカルプラザが制作・監修した「サクセッション - 獣医師向け動物病院の承継開業の情報サイト」上で連載された記事を本サイトへ移行したものとなります。

開業する人しか 採用 しない動物病院?

Q: 前の横浜の勤務先動物病院が良かったとのことですが、その動物病院で良かった点は開業後もおだわら動物病院でも取り入れられていると思います。どういう点が印象に残っていますか。

杉浦院長: 私が勤務した横浜の動物病院は、「開業する人しか採用しない動物病院」です。

5年間の契約期間で、その後は独立開業していきます。

その動物病院の院長先生の方針は色々と任せてくれること、勤務医から開業医になるまで育ててくださいます。特に経営戦略を立てたりすることは大変勉強になりました。

Q: 経営については勤務医にはあまり触れたくないと考える院長が多い中で、その横浜の勤務先病院院長は経営についても教えてくれたということでしょうか。

杉浦院長: そうです。経営についての考え方とかを色々と学ぶことができました。

3年間でスキル面については一通りのことはできるようになったことで、私が次に関心を持ったのは、「患者さんの満足度をどう上げていくのか」でした。

診察室は獣医師にとっての舞台のようなものですから、1回の来院時に患者さんをいかに満足させられるのかを考えるようになりました。勤務医時代の4年目、5年目の2年間でこの満足度についての知識やスキル、ノウハウを伸ばしました。

開業するのに必要な能力は、細かい病気をどれだけ知っているかも大事ですが、そこを伸ばすのと同じように大切なのが、自分ができる獣医療で患者さんの満足度をいかにして上げられるのかがわかっていることだと思います。

この満足度については開業後の今はすごく活かしています。

Q: この満足度の大事さに気づかせるきっかけが何かあったのでしょうか。

杉浦院長: 私が満足度への関心を持ったきっかけは、勤務していた動物病院の顧問の先生です。

私は3年くらい経った頃に自分の専門分野を作りたいと思い、大学に行こうと決意してその顧問の先生に相談しました。

そこで「やめた方がいい」とのアドバイスを頂きました。専門分野に特化してもそこばかり診て逆に足かせになりうること、一般診療が顧客満足度も含めてきちんとできていない段階で専門性を求めても意味がないとズバリ指摘して頂いたことで、私が目指す獣医師像も変わってしまいました。

専門医よりも、その地域に根ざす「ホームドクター」になることです。今から考えますと、顧問の先生に相談して良かったと思います。

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【2020年、承継開業・新院長インタビュー】

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おだわら動物病院 杉浦雄一院長

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