どのようにして私は動物病院を 独立開業 できたのか?

公開日:2019年07月17日
この記事はメディカルプラザが制作・監修した「サクセッション - 獣医師向け動物病院の承継開業の情報サイト」上で連載された記事を本サイトへ移行したものとなります。

どのようにして私は動物病院を独立開業できたのか?

いま、国家資格が大きく揺らいでいる。獣医師はじめ、弁護士、公認会計士、歯科医師といった国家資格は難関中の難関資格であるが、資格を取るだけでは食べてはいけない。

本当の難関は、どのように独立開業するかにある。

獣医師においては、新規開業の他に、承継開業という方法がある。

本企画は、この第三者事業承継によって勤務医、代診の先生から院長になった人たちのインタビューである。勤務医時代の不安、開業しようと思った動機、開業に当たっての最大の難題など、勤務医として働く先生の不安や難題はみんな同じである。

しかし、これらの先生はそこから一歩踏み出して独立した。

これは、その独立開業に至るまでの生の声である。

動物病院を独立開業する時の困難

独立開業しようと思ったのは、国家資格を通って獣医師になり、勤務医として働き始めた当初からでした。

それから具体的に行動したのは、6年から7年後のこと、大体30歳前後になった頃です。

この頃はまだこの承継開業を知りませんので、新規開業です。

業者とのやり取り

場所の目星もつき、資金を借りる金融機関まで決まったのですが、業者とのやり取りがうまくいかず、その時は開業を断念せざるをえなくなりました。

この独立に全精力を注いできましたので、断念はかなり大きなショックでした。

1年、2年は腑抜け状態でした。

それでも、独立開業することはあきらめませんでした。

勤務している動物病院の来院数の低下による不安

そんな時、日々の勤務医をしていて、ふと、気付くことがありました。

「日々の来院数が段々と減ってきているのではないか」。

ある業者から犬の新規登録件数がどんどん減っていることを聞いていましたので、勤務医をこのまま続けて行くのも大変だが、新規開業するのはむしろ危険だと考えました。

この時の私は、勤務医をそのまま続けて行くか、無理してでも新規に立ち上げるかの2つに1つを選ばねばなりませんでした。

どちらの道に進んでも、不安からは逃れられません。

 

こうした究極の選択にはなかなか答えが出せないのが普通だと思います。

迷いながらも勤務医を続けていました。

そんな時、私の背中を押してくれたのは、妻の一言でした。

「あなた、これからの将来どうするの」

この言葉で独立したいと思っていた私の気持ちが一気に蘇ってきました。

動物病院の独立開業をするにあたってしたことは?

情報収集

そう思うとまずは情報収集から始めました。

ネットで検索したり、過去に出席した資料をもう一度見返してみたりしているうちに、「第三者事業承継」という新規以外の開業方法を見つけました。

すぐさま承継コンサルタント会社のメディカルプラザさんにメールを送ったことから、私の思いは現実化へと動き出すことになりました。

 

私が千葉房総の動物病院を承継先に選んだのは、自然、海や山が好きだったからです。

私の出身は、東京の高尾です。

幼少期から高尾山で過ごしてきました。人混みが嫌いで、自然が大好き。

最初に独立をと考えた場所も、河口湖あたりでしたので、独立するなら地方で考えていました。

条件の設定

1:一生、そこに住める場所であること

そのため、承継する動物病院の「条件」の1つは、

「一生、そこに住める場所であること」

でした。

病院の規模や業績にこだわるよりも、まずは自然の中にある病院を希望しました。

自分の生き方にあわせて独立する場を決めたかったからです。

それは、東京の都心で勤務医として働いてきて、そこで磨いてきた技術をいくら提供しても、「これで自分は幸せなのかな」という思いが常にあったからです。

それなら自分が幸福感を感じられる場に行こうと思ったから、都心を離れて千葉房総の太平洋が目の前に拡がるこの街で事業承継できたのは、願ったり叶ったり、でした。

2:自分がテコ入れできる余地があるか否か

もう1つ、私が「条件」にしたのは、

「自分がテコ入れできる余地があるか否か」

という点です。

この2つの条件を提示して、コンサル会社から2、3件の動物病院を紹介頂きました。

最初に訪れたのが、このアフィネ動物病院で、他を見る事なく、ここに決めました。アフィネ動物病院は、住環境は東京からも近い千葉の房総で、海が目の前にあることと、「日曜日診療をやめて売り上げが下がった」とお聞きして、私が引き継いでからの改善ポイントがすぐに思い浮かんだことで即決しました。

独立の一般年齢は30歳から33歳くらいですから、私は独立を一旦断念して勤務医をそのまま続けている間にその時期を過ぎてしまいました。

そして体力のことを考えると、新規で開業するのは厳しいなと思っていた時期でしたので、今ある病院を引き継いで独立できる方法があることを知った時は、自分の未来に希望を持てるようになりました。

 

☆勤務医か、独立開業か、決断を促したのは妻の言葉

アフィネ動物病院代表 森川譲二院長(千葉県いすみ市)

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