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2009 年 6 月 のアーカイブ

北里大学動物病院セミナー

2009 年 6 月 29 日

一昨日の土曜日に北里大学で動物病院セミナーを行い、高学年約30名の学生さんに参加していただきました。このセミナーは2年前に、ある学生さんから大学で教えてくれない動物病院の
経営について学びたいので、学内でセミナーをしてもらえないかとの要請があり、その熱意に
促されて始めたのがきっかけで、今回は3回目になります。

最初にひとりずつから、就職先の動物病院選定の具体的基準についてお聞きする時間をとりましたが、次のような答えが返ってきました。

・症例数、手術数が多いこと
・早く診察、手術をさせてくれるところ
・獣医師数3人から5人の中規模の病院
・専門的な強みを持っている病院
・雰囲気、人間関係が良い病院
・院長の人柄が自分と合う病院
・教育体制が整っている病院

大学では年間200万円前後のお金を払って学ぶが、動物病院では最低でも年間200万円以上のお金をもらって知識、技術を身につけるだけではなく現実にお金がもらえるだけの実力をつける(貢献する)ことが大切なので、発想を変えなければならないことを伝えると、皆さんショックを受けたようでした。

さらに、卓越した臨床家になるためには、大学卒業後の病院選択が、一般の企業への就職以上に人生を左右することを伝えると、多くの学生さんは思いを新たにしたようでした。

学生時代から業界の情報、病院選択の方法、臨床家としての心構え、開業への手順とノウハウ
をお伝えすることで、少しでも多くの学生さんから将来のすばらしい臨床家が育つように今後も
努力したいと考えています。

セミナーの中で、臨床家に向いている人間性として次の六つを挙げさせていただきました。

1 伴侶動物臨床の仕事が大好きなこと
2 人と話をするのが大好きなこと
3 人との出会いが大好きなこと
4 感謝する心を持ち謙虚であること
5 体力には自信があること
6 忍耐力には自信があること

また、将来ビジョンを待ち目標をもつことにより、毎日の時間の質が変わることをお伝えしました。伴侶動物の臨床家として夢を実現できる可能性は大きいと思います。

 

 

動物病院全般

獣医師と医師の引退年齢

2009 年 6 月 19 日

本日、ある医薬品会社の方と話していましたら、最近、獣医師で臨床を引退する60代の先生が
多いのに反して、人間のクリニックの先生は70代でも現役の先生が非常に多いという話がありました。

実際に、動物病院の開業院長の平均年齢が50歳未満であるのに対して、人間のクリニックの
開業院長の平均年齢は60代後半であるといわれています。

また、動物病院で倒産による廃業が非常に少ないのに対して、60代院長の引退廃業や健康上の理由による動物病院の廃業が増えているそうです。

考えて見ますと、動物病院は良い悪いは別にして、総合科目を診療しなければなりませんので
クリニックといえども、重症症例や緊急症例もあり、また、精神的に難しい飼い主さんも増えています。この動物病院院長に対する精神的・肉体的負担がかなり大きいことが、人間のクリニックの院長よりも動物病院の院長の引退年齢が早いことの理由になっていると思います。

私が、米国の動物病院を訪問したときに、開業院長のハッピーリタイアが一般的であることを
聞かされました。ハッピーリタイアとは、院長が自主的に早期引退して、時間的な余裕のある
ライフスタイルで生活することです。経済的にも余裕のある生活をするためには、資金をためること、病院を売却してまとまった資金を得ること、院長辞任後に顧問医として収入を得ることなど
さまざまな方法があります。

大きな病院では、勤務医に任せて休むことも可能ですが、病院の9割が獣医師2名以下の
病院であることから、大多数の院長は休むことに制約が大きいのが現実です。

健康上の理由で退職される動物病院院長の事例を少なくするためにも、ハッピーリタイアの
ライフスタイルを日本に根付かせることはぜひとも必要ではないかと思っています。

動物病院全般

獣医師専門求人誌「キャリアV」の出版

2009 年 6 月 15 日

今、来月に出版予定の獣医師専門求人雑誌「キャリアV」の出版準備をしております。

この雑誌の目的は、直接的には動物病院、公務員、企業その他に就職希望の獣医科大学生と
獣医師に就職に役に立つ情報を提供し、また、動物病院院長と学生、獣医師との価値ある出会いを実現することを目的とし、間接的には、獣医師の待遇改善や女性が長く臨床を続けられる
環境の整備に貢献することです。

獣医科大学卒業後の就職先の決定は一生にかかわることは、一般大学生の就職先決定よりも
はるかにその後のインパクトが大きいと思います。

卒業時の年齢が一般大学よりも2年も遅れることに加え、多くの獣医科大学生は一般社会と接触する機会が少ない上、獣医師という仕事が多忙なため、特に臨床現場では院長はじめ就職先の
先輩から多大な影響を受けます。

獣医師として成功するためには、その人の人間的素質(人間性とやる気)が最も重要だと思いますが、その次に大事なのは、大学卒業後にどのような職場でキャリアを身につけるかということです。

有名な病院、先輩のいる病院、ホームページで知った病院その他非常に限られた情報で就職先を決定したために就職後のキャリア形成がうまくいかなかったとの事例は非常に多いです。

特に、日本の伴侶動物臨床にはいわゆるコモンプラクティスと呼ばれる医療標準がないために
動物病院の医療格差、サービス格差、マネジメント格差は開く一方です。

尚、この雑誌は多くの動物病院の求人広告収入をベースとして発行するフリーペーパー(送料も無料)ですので、できるだけ多くの学生さんと若い獣医師に呼んでいただけるように誌面の内容充実に努力していきますのでよろしくお願いします。

動物病院全般